しろねこの日常

自分のためのアウトプット

終わらない10月 ー雪組『蒼穹の昴』東京公演の前にー

秋から冬へとうつろうこの季節…。冬生まれなこともあり、10,11,12月は1年の中でも特別早く過ぎ去ってしまう大好きな季節です。

でも、2022年10月はいちばん長く感じたし、1ヶ月がとにかく終わらなかった…。本当に本当につらかった…。それには雪組公演『蒼穹の昴』が大きく影響しています。

東京公演前の今の心境も含め、記録を残しておこうと思います。

 

※以下、一部雪組公演『蒼穹の昴』への酷評があります。個人の感想ですが、心地よいものではないかもしれません…

 

 

8月

f:id:white25cat:20221123215048j:image
『ODYSSEY』

咲ちゃんで、さききわちゃんで、今の雪組で「これが観たい」を全部叶えてくれた公演。仕事も融通きかせてもらって、お金も体力も気力も当時の私のすべてを賭けて通った。

夢と愛と命の輝きがたくさん詰まった宝物のよう。まさしく"夢"の時間だった『ODYSSEY』が終わってしまったこと、希和ちゃんの退団へ1歩近づいてしまったことを受け入れられずにいました。

現実を受け入れられず、千秋楽映像や雪組関連の情報を片っ端から避けて過ごすように。救いの場を求めるように宙組公演『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』の予習を兼ねて、HiGH&LOWシリーズを制覇したりしていました。(とっても面白くてキャラも魅力的で大好きになった)(ありがとうハイロー)

 

9月

月あたまに宙組星組全ツ遠征を計画しており、見事現実逃避成功(?) ハイカプを観たことでさらにハイロー熱が燃えて、さらにHiGH&LOWシリーズを見返したり9月公開のザワクロを見に行ったりとズブズブ。(2回行った)

TLには『蒼穹の昴』の原作を読み始めた方が増えたけど、さききわちゃん最後の作品がこれか…とガッカリしたくなくてとてもじゃないけど読む気になれなかった。(公演発表があったときからトップ娘役の出番について懸念があったじゃないですか…)

 

大劇場公演 初日 10/1(土)

結局何の心の準備も予習もできぬまま、初日の朝に。基本的にネガティブなので「始まったら終わりがきてしまう」と恐い気持ちがある反面、単純に「咲ちゃんに会える」とワクワクしている気持ちもありました。

それでもやはり退団公演を観に行く準備が整っていないので、初日への道中は相棒とずっとハイローについてお話していました。


f:id:white25cat:20221123214741j:image

大劇場に到着。(8月みたいに暑かったなぁ) 初日特有の劇場全体がソワソワドキドキしているのを肌で感じながら「あぁ本当に今日初日なんだ」と実感したのと覚えています。

フェリエで公演ランチも食べ、公演パンフレットもさらっと目を通していざ初日の観劇へ。

 

f:id:white25cat:20221123220009j:image

相棒が手に入れてくれた下手の前方席。オペラ無しでも十分観やすいところで初日からこんなところで観られるなんて幸せだなと思った。ところが…

 

初日 観劇後

「納得できない」

公演終了後すぐにそう思いました。

もちろん無事に初日の幕があがって嬉しい気持ち、出演者のみなさんが安堵されているのをみてほっとした気持ちはあった。

それを上回るような負の感情に包まれました。希和ちゃんのサヨナラ公演だと分かっているのにこの演目を選んだのはどうして?なんで希和ちゃんの場面が少ないの?退団者なのにその他大勢みたいな扱いじゃない?娘役の役が少ないのは分かるけど、お飾りみたいな演出なのはどういうこと?フィナーレで希和ちゃんの単独場面作れなかった?

挙げだすとキリがないくらい溢れ出てくる不満…。

 

そして1番衝撃だったのは、贔屓の咲ちゃんが私には「刺さらなかった」。刺さらなかった衝撃が大きすぎてこの日は刺さらなかった理由は分からず、ただただ困惑していました…

後に気づいた理由は大きく3つ。

①リァンウェンシュウという人物がとにかく嫌い。(普段あまり嫌いとは言わず、あまり好きじゃないとか言い換えるんだけど、あえて嫌いと表現している) 何故嫌いか挙げるとブログいっぱいになっちゃうので今回はやめておくけど、強いて言うなら 自分の尺度でしか物事を測れないところです。私のなかでは、ウェンシュウの好感度は冒頭の居酒屋のシーンを最高値として減点式で下がっていく感覚。とにかく感情移入できるところが1㍉もなかった(本当に申し訳ないけど)

初日からの帰路についた私は、贔屓が演じている役を愛せないなんてファン失格だと思い、ひどく自己嫌悪になった。(後に原作を読み始めて、贔屓が悪いんじゃなくてマジで人が嫌いなんだと気づけたけど)

②ウェンシュウのビジュアルがとにかく「刺さらなかった」。基本的に目と目が離れているお顔が好きなので、中心に寄せるようなウェンシュウのメイクが好みじゃなかった。それに中心に寄せるメイクだと下級生の頃のメイクが下手だった時代を思い出して…(マジでごめん)

あとヘアスタイルも。私は彼女が自分でスタイリングした髪型がとにかく好きなんですよ。今回は1本物で弁髪なので尚更ヘアスタイルが変わるタイミングがなく…。あのヘアセット技術が活かしきれない公演は何とももどかしい…。

③フィナーレも「刺さらなかった」。

そらぴの歌唱指導→ロケットまでの流れは良かった。それ以降が問題で、劇中を重厚な雰囲気をそのまま投影した男役群舞…。芝居がそもそも激重なんだからフィナーレくらい爽快でアップテンポな感じでも良くない?某先生の爆イケフィナーレをイメージしていた私は結構ショックだった。せっかくゴールドの羽織りを着ているならテンポ上がったときに羽織りを脱いでお衣装チェンジがあってもいいんじゃ…?とも思ったり。

デュエットダンスも内容は悪くないけど、好みではなかったなぁ。同じ振りを体格差のあるトップコンビが踊ったときピタッと揃うあの感じが大好きなので、同じ振りが少ないのはちょっと残念だった…。あとスタンバイで2人手をつなぐところが2階席からだと見えないところ本当に勿体ない。

あとパレードも大羽根なかったの、本当にショックだったな。トップスターの大羽根が好きという自覚は全くなかったんだけど、大羽根なしの贔屓が降りてきたとき心底悲しかった。もちろんさききわあさちゃんでお揃いのキラキラ刺繍たくさん豪華お衣装もいいけど、大羽根なんてもうあと何回背負えるか分からないのに…って思っちゃったんですよね。(希和ちゃんの大羽根ラストはSensational!だったんですよ…ちゃんと見納めたかった)

 

いや〜〜正直ほんとひどいですよね笑 でも率直に「今持っている以外はチケットを足せない、足したいと思えないな」と感じたのは事実。幕間休憩を除いた2時間半の間、客席にいることがキツいと思ってしまいました…。(そんなに苦痛なら行くなって感じですよね申し訳ない) とにかく作品自体が肌に合わないみたい。

唯一良かったなって思えたのはまのみヘイムータンと諏訪タンストンさんくらいで、あとはとにかく残念な気持ちのまま帰路につきました。

ただこれだけでは終わらなかったんです…

 

10月半ば

公演期間が進むにつれて、雪組公演の好評を耳にするようになります。「豪華絢爛なセット、お衣装がすてき」「出演者の熱演が素晴らしい」「ウェンシュウの芝居に涙が出た」など雪組公演を誉めるような感想を見かけるたびに自己嫌悪に…。もちろん出演者の皆さんが命かけて熱演されているのは十分理解している、けれど私は良いとは思えなかった。

あの熱演を観ても心が動かないなんておかしいのでは?みんな良いと感じているのにどうして私はそう思えないのか?贔屓ががんばっているのに観に行かないのか?贔屓組で贔屓が出ている公演なのに好きになれないのか?さききわちゃん最後なのに回数行かないのか? 色んな問いをなげては自分にガッカリして…を繰り返していました。(同時期に仕事でもストレスがあり、ひどい胃痛に苦しみましたトホホ)

 

幸い、手持ちチケットはしばらくありませんでした。ただ花組バウ公演『殉情』のチケットを持っていたため、10月半ばに日帰り遠征することに。

1回公演の日だったため雪組公演を観ることなく、帰る予定だったのですが、これがまたつらかったんです。大劇場に着くと、劇場内は雪組公演を観に来た人で溢れて活気に満ちていました。意気揚々と劇場改札へ吸い込まれていく人たちを見ながら、雪組公演を好きになれない自分との間に大きなギャップを感じてしまい…  ひと言でいうと居心地が悪かったです。贔屓組が公演期間中の劇場に行って、こんなに居心地悪いことあるんだって正直驚きました。そんな状況のなか、『殉情』を観ても当然楽しめる訳がありません。メンタルの状態も良くないと観劇すら楽しめないことを学びました(本当に本当に申し訳ない…やり直したいよぉ)

 

10月下旬

花組バウ公演後は、大劇場で刺さっていたハイカプと花組全ツを観て何とかタカラヅカを楽しめるメンタルまで回復。

そしていよいよ手持ちチケットがあるので、雪組公演へ。幻となってしまった、宝塚舞踊会と合わせて行く10/24〜25でした。

正直初日は「こんな演出あったら嫌だな」と思いながら粗探しのような感じで観ていたところもあったので、フラットに観られるようにあえて原作を読まずに観劇。ここでさらに2回観たのですが、この2回のおかげで咲ちゃんが嫌なわけではなくウェンシュウという役が嫌いなのでは?と気付き始め、今回のメイクが好みではないことが分かりました。初日は「刺さらなかった」ショックからどうして刺さらなかったのか全く分からず、ひたすら戸惑っていたのです。この3週間ですっかり訳が分からなくなっていた私は、咲ちゃんのファンだと名乗る資格がない、という風に思っていました。なので、ただ今回が好みじゃないだけ、という事実にかなりほっとしたのを覚えています。(本当に面倒臭いオタクで申し訳ない)

 

大劇場公演 千秋楽 11/7(月) 

10月を越えましたが、合わせてお話させてください。

f:id:white25cat:20221128221048j:image

奇跡的に取れていた千秋楽と合わせて、11/6〜7で遠征。さらに先日の遠征から2週間弱が経ち、重い腰をあげて読み始めていた原作1巻目を読み終えたばかりでした。(ただでも活字読むの遅いのにメインキャラが嫌いとなるとますます進まない)

初日のショックからかなり日数が経ったのと、贔屓が出ている公演を"好き"と思えない自分を受け入れられるようになったこともあり、かなり観劇中も楽になりました。相変わらずウェンシュウのことは嫌いと思い続ける3時間ですが(笑)、面白いなと思えるキャラクターが見つかったのです。シュンコイと袁世凱ちゃんです!!うまく感情移入できるキャラクターが見つかったことで、第三者目線以外にも見れるようになり、面白くなってきました。フィクションにおいては、他人などに劣等感を持ち、自己肯定感の低めな男が好きです(突然の性癖暴露)

そんなことは置いておいて、それ以外でも出演者の芝居がより深く熱いものに変わったことと、ウェンシュウのメイクがマイルドになったことも楽になった要因の1つです。まだまだ"好き"とは思えないけど、面白いな・いいなと思える箇所ができたことは私のなかでは大きかったです。

そして希和ちゃんのサヨナラショー。大階段センターで娘役を引き連れた最高にカッコイイルポァゾンから始まるサヨナラショー。あまりに完璧で、観たいもの、いやそれ以上に観せてもらえた…。サヨナラショーで情緒がおかしくなったので、逆に本編は刺さらない(泣かない)公演で良かったななんて思ったりもしました笑(ひどい) あまりに良かったので本当に何も言う事がないのですが、本当に原田先生が構成・演出なの、、??本当に??毎公演フィナーレと差し替えでサヨナラショーやって欲しいです(無茶苦茶) 

いや〜〜本当に観られて/観に行って本当に良かった。ここだけの話、咲ちゃん・さききわちゃんへの気持ちが遠のいている(と勘違いしていた)ので、私よりもずっと千秋楽を観るにふさわしい人がこの世にいるはず、その人にお譲りしようかと迷っていたんです… とりあえず手元にあって観られる状況なんだからひとまず行ったらいいんじゃないかと思い留まった当時の自分、ありがとう!

こうしてサヨナラショー、退団挨拶も含め千秋楽を観たおかげでいよいよ退団なんだなと実感がわくようになりました。そして咲ちゃん・さききわちゃんへの気持ちが無くなったわけじゃない、と気付くことができました。さききわちゃんに関しては、あまりに大切だからこれ以上好きにならないようにブレーキのようなものをかけていたのかもしれない…。(失うのがますます恐くなる) 改めて板の上に乗ったさききわちゃんは勿論、お互いのキャリア・舞台への熱量を信頼して共に並んで立っているところが本当に好きだなと思いました。

次期トップ就任が発表されたそのときから2人は背中を預け合った同志のようで、いわゆるトップコンビで仲睦まじくイチャイチャ♡みたいなものは少なかったかもしれません。それでも2人が"同志"の鎧を1度下ろして、互いに向かい合う姿を見られて本当に嬉しかった…。『誠の群像』『SUPER VOYAGER!』の全ツあたりの2人みたいでしたね。(本来はああいう感じなのかな) 2人ともストイックの塊だからトップ就任以降はなかなか見られなかった姿でしたよね。

 

東京公演の前に

"諦めなければ/希望を持ち続ければ、運命は変えられる"という『蒼穹の昴』の主題を目に耳にする度に、それならさききわちゃんが続く未来へ導いてくれよと傲慢にも思ってしまうファンです。大劇場公演も希和ちゃんのミュサロも終えて東京公演初日もむかえて、もう後には戻れないところまで来てしまったけれど、それでもやはり… これ以上言うと悲しくなるしつらいのでやめておきます。

もうさききわちゃんにはこの『蒼穹の昴』でしか会えないのに、作品を愛せない…。この葛藤に苦しみながら東京my初日をむかえます。一時期ウエクミ先生の「公演の内容を見るより、推しに会いに行く場になっている(意訳)」という意見が話題になりました。贔屓に会うためだからと割り切れたらどれだけ楽か、私はそうなりたかったけど割り切れなかった…。残り1ヶ月弱で作品を愛せるようになるかは分からないけど、1日1日悔いのないように公演には行かないときでも2人へ想いを寄せて過ごしていきたいと思います。

結局何が言いたいか分からなくなっちゃったけれど笑、もう時計の針は止まらないんですよ…。これ以上みなさんの大切な時間が奪われませんように…!個人的には原作2巻目も終わるので、公演期間中に原作読み切れたらいいなと思ってる(がんばれ自分) あわよくばドラマ版もつまんでみて、比較できたら面白いかなと笑

 

みなさまもよい2022年の締めくくりができますよう…!東京my初日行ってきます!